塩づけ肉が食べたいのであります




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絵本の中の塩づけ肉


残念ながらこの本の中には、「塩づけ肉」の作り方までは載っていません。船の中で作るわけじゃありませんから当然ですけどね。でも、どんな感じも物なのかって事が判る記述がいくつかありますのでちょっと見てみましょう。(著作物ですので、ちょっとだけね)

まずは、「料理と食事」のページの冒頭部分の引用。

「航海は何年も続くことがあったが、冷蔵庫がなかった。食用に生きた動物を飼っていたが、その肉や乳や卵は士官たちのために使うのが普通だった。水夫のための肉は塩づけにして貯えていた。その肉は乾燥し、とても硬かった。(中略)船上での食べ物はこんなにひどかったけれども、船員が自分の家で家族といっしょに食べる物よりはまだよかったらしい。」

乾燥してとても硬いんですな。ふむふむ。

こちらは1週間のメニュー。
献立表

日曜日と木曜日は「塩づけの豚肉」、火曜日と土曜日は「塩づけの牛肉」です。
4日も肉にありつけるんですな。まぁ船上の生活では数少ない楽しみの一つでしょうから、これくらいないとやってられないかな。

今度は、その「塩づけ肉」を調理している様子。
コックの様子

調理って言っても、茹でてるだけですな^^;
茹でてると”スラッシュ”と呼ばれる「黄色い油」が浮いてくるんですな。
油が売るほど浮いてくるなんて、よっぽど油っこいんでしょうね。んじゃバラ肉だな。
献立の絵もそんな感じね。でも「黄色い油」ってなんでしょうか。長いこと保存しておくと酸化しちゃったりするのかな。

それから、これは保存時の状態。
樽の中
樽の中に肉が何段かに詰め込まれています。それぞれの肉の段の間には塩が詰まってるみたいですね。一般的な「塩づけ肉」とか「干し肉」は、塩抜きした後は乾燥させるだけで、保存時に再度塩をまぶすことはないみたいですけど、船の中みたいに、湿度や気温が高いといった劣悪な環境では、保存時も塩がないとダメなんでしょね。

で、もういっぺんコックの様子。
船の中

調理している所は先の絵とほとんど同じですが、その左側に、桶というかタライに肉を放り込んでる人が描かれています。これは、塩抜きしているところだそうです。

でも、船上では真水は貴重ですから、本格的な塩抜きが出来るとも思えませんよね。

だから、樽に詰める前の肉は十分に塩抜きがされていて、樽のなかで付いた塩を洗い流すっていう程度の塩抜きだったんじゃないでしょかね。


と言う訳で、この本に出てくる「塩づけ肉」について判ることを挙げてみると

・脂の多いバラ肉
・脱水+熟成後、十分に塩抜きしている
・カッチカチになるまで乾燥されている
・やたら硬い
・茹でて食べる
・黄色い油がとれる

ってことになります。
作り方としては、検索してヒットする多くのレシピと一緒ですね(っていうか、ただの塩漬け肉にそれ以外のレシピなんかあるんかいな?)

ともかく、一丁やってみますか。



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